みなさんはアドブルーはご存じですか?
ピンと来ない方が多いと思いますが、今現在物流を支えているトラックの大半がディーゼル車で、その排気ガスをきれいにするために必要なのがアドブルー(高品位尿素水)です。
このアドブルーが今不足していると言われているのです。
では、アドブルーがなくなったらどうなるのでしょうか?
私たちには直接関係のない話のように見えますが、実はアドブルーがなくなるとトラックが動かなくなる=物流が滞るといった事が起き、私たちの生活にも大きく関わる大変な事なのです。
今回は、なぜアドブルーがなくなったらどのような事が起きるのか、アドブルーが不足する原因などについても調べてみました。
アドブルーがなくなったらどうなるの?不足し値段も高騰!
まず、アドブルーとは何なのかという事についてですが
AdBlue(アドブルー)は尿素SCRシステムにおいて還元剤として用いられる高品位尿素水である。組成は尿素32.5パーセント (%)、脱イオン化純水67.5%で、ISO 22241にてAUS 32(aqueous urea solution 32%:32%尿素水溶液の意)として規格化されている。
日本国内やヨーロッパでAdBlueの名称で普及しているがドイツ自動車工業会 (VDA) の登録商標[1]で、それ以外の地域ではディーゼルエグゾーストフルード(Diesel exhaust fluid、DEF:「ディーゼル排気液」の意)の名前あるいは規格名のAUS 32の名前で普及する。
尿素SCRシステム(にょうそSCRシステム)は、排気ガス浄化技術の1つで、ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化する技術である。SCRはSelective Catalytic Reductionの略であり、日本語では「選択(的)触媒還元」を意味する(選択触媒還元脱硝装置も参照)。尿素以外の還元剤を使用する方法もあるが、尿素水を使用する方式が主流である。
尿素SCRは、火力発電所などの排気ガス処理に利用されていたもので、自動車への実用化例はなかったが、日産ディーゼル工業(現・UDトラックス)が自動車用の尿素SCRシステム「FLENDS」(フレンズ、Final Low Emission New Diesel Sytem)を開発し、2004年に世界初の実用化に成功した[1][2]。翌2005年には自動車技術会技術開発賞を受賞している[1]。
アドブルーは正式には高品位尿素水といってディーゼル車から出る窒素酸化物を浄化する物で、尿素SCRシステムを使用している国産のトラック会社のほとんどが尿素SCRシステムを使用しています。
この尿素SCRシステムに必須なのがアドブルーなのです。
アドブルーがないとトラックのエンジンを切ってしまったらエンジンが再始動できなくなります。
なぜアドブルーが不足しているの?
では、なぜアドブルーが不足しているという事ですが、これには中国を含む国際情勢が絡んでいるようです。
一時、韓国でも同じようにアドブルーが不足して大変な事が起きましたが、これは韓国はアドブルーを作る原料のアンモニアを中国からの輸入に頼っていたのが主な原因です。
日本はアンモニアのほとんどを国内で生産していたので問題はないと思われていたのですが、12月に入ってから国内の生産会社も出荷を抑えている様子なのかアドブルーが不足し、スタンドでも販売の休止やオークションサイトなどで高額で取引がされているといった状況が起きているのです。
また、尿素水を作っている日本の会社の中には、原料のアンモニアを中国からの輸入に頼っている会社もあるようで、韓国と同じような事も一部では起きているようなのです。
そう考えると、原材料を国内でまかなっているというのは本当なのか疑問に感じますよね?
また、ここでも尿素水を市場価格の10倍近くで販売する転売ヤーが現れているようです。
アドブルーをあつかう三井物産プラスチックでは、原材料価格の高騰を理由として2021年10月にアドブルーの卸売価格を1リッターあたり3.5円値上げしたほか、2021年12月6日時点で12月分の出荷可能量の上限に達したとして、アドブルーの受注を停止しています。
三井物産プラスチックでは、バックオーダーの処理が終わり次第受注を再開するとしています。
いよいよ本気でアドブルー不足が深刻化して来た…運送業界のピンチだ。インタンクを設置しているうちでも、入荷が厳しく例外ではない。
既によそでは、運行止まったという話も入って来ている…無事年越し出来るのだろうか…
最悪完全に切れたら、エンジン掛けっぱ作業も止むを得ないだろう…。 pic.twitter.com/yFLTg3DKAt— タカハシセージ (@SeyjiTakahashi) December 14, 2021
埼玉のアドブルーも不足してます💦
宇佐美GSでリッター制限でてました🤒— なお (@IlgQ3AtD0Ab00OA) December 15, 2021
みなさん本日も1日お疲れ様でした😃
今、アドブルー不足で取引しているスタンドでも品薄で入荷未定って💦
うちの会社アドブルー無いと仕事にならない😭
なんとなくやばい状態になりそう💧💦‼️— 🌸ノコノコノユメ🌸 (@kazusan2468) December 16, 2021
いつもトラックの給油に行ってるスタンドではもうアドブルーは無いそうです。
年内は入荷しないそうです。
お隣の国の事と思ってたら日本も不足とは、、、#アドブルー#尿素— おの爺 (@ysmileo1) December 15, 2021
と、アドブルーが不足していると困っている方が多いようですね。
このままアドブルーの不足が続くとどうなるの?
このまま供給不足が続くようだと、アドブルーのなくなったトラックが一度エンジンを切るとアドブルーを補給するまで再始動しなくなります。
アドブルーがなくなると
トラックが動かなくなる
↓
物流の流れが悪くなる
↓
食料や様々な物が品薄になる
といった事が起こり得る可能性があります。
様々なイベントも重なりますし、日々の食料品や日用品に至るまで様々な物流がトラックにより運ばれるので、アドブルーの不足は私たちの生活にも大きく関わっているのです。
たかが尿素水と韓国のアドブルーの不足を対岸の火事と思っていてはいけないのです。
アドブルーの供給が復活し物流のストップが起きないようにして欲しいですね。
今もアドブルー不足。運送会社、観光バス会社、その運転手さんには打撃。日本のメディアはほとんど取り上げない。日本のアドブルー不足も国民の知らない裏では何かあるんでしょうね pic.twitter.com/OhlECLJwcD
— 運転手カリスマ (@R7QZg2umyuOoztW) January 11, 2022
今後のアドブルーの生産の状況について
ディーゼル車の排ガス浄化に必須の「尿素水」の原料となる尿素不足で、メーカーなどが対策に動き出した。三井化学は12月以降、工場の定期修繕前より15%増のフル生産に乗り出す。商社の阪和興業は東南アジアなどから代替調達する。品薄感は2022年2月ごろに薄まるとの見方があるが安定供給の見通しは不透明だ。経済産業省が国内メーカーに増産要請したこともあり供給増を急ぐ。
と、アドブルーを生産する会社が生産体制の増加を急いでいるようなので、時期にアドブルーの不足も解消される見込みです。
早く解消して欲しいですね!
ディーゼル車の稼働に必要不可欠な尿素水「アドブルー」の品薄状態が続いている。2021年10月ごろ、市場から消えるとささやかれはじめ、12月には県内の給油所から姿を消した。こうした状況を受けて、経済産業省は12月24日、需給緩和に向けた対応を行っていると公表。状況の回復を急ぐとともに、高額転売への注意喚起を行った。原料となる尿素の国内供給量は22年1月中に落ち着く見通しだが、地元建設業などエンドユーザーが落ち着きを実感するまでには、数カ月を要しそうだ。
どうやら2022年になってもアドブルーの不足が続いている様子ですが、今のところ物流のストップにまでは至っていない様子ですが、とっても心配ですよね。
まとめ
昨年の12月より日本国内でもアドブルーの不足が言われ始めている。
アドブルーの不足の原因
- 中国を含む国際情勢が絡んでいる
- アドブルーを生産している会社が出荷を見合わせている
と言われており、現在はスタンドでの販売が休止されていたりアドブルーがオークションサイトなどで高額で取引が行われている様子。
アドブルーの増産が再開される事となったようだが、それまでの間の物流が滞らないかが不安視される。
今回は、なぜアドブルーがなくなったら大変な事になるのか、アドブルーが不足する原因などについても調べてみました。
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